インテル8080伝説

978-4-89977-453-2
2,200円(税200円)

商品詳細

本のサイズ:A5判 1色刷 256ページ
著者: 鈴木哲哉 著
発売日:2017年2月20日

語り継がれるエピソードの真相と8080の実態に迫る!!
1974年に登場し、近代的なコンピュータの起源となったインテル8080。とっくに絶滅したと思われていたこのチップが実は未だ複数の部品店の倉庫に眠り、ありきたりな部品に紛れてネット通販リストに載っていたのを見つけたことから著者の創造意欲が猛烈にかき立てられ、約1年かけて制作された渾身の一冊です。
『古い部品で単純に古のコンピュータを作ったら、それは単なる“古い本”』
しかし著者は、この8080を、高速な周辺部品や優れた開発ツールといった現在の環境下で実際に動かし、8080の実態とその登場した前後の出来事を資料に照らし、技術的に検証。結果、かなり正確に紹介する、これまでにない読み物的製作例紹介の読んで楽しい技術解説書が出来上がりました。
8080と周囲のファミリーICなど絶滅危惧の部品を探し回り、誤植だらけのデータシートを解読し、無闇に膨大な配線をこなすなど、著者はあえて製作上のあらゆる困難に正面から立ち向い、七転八倒しつつも次々と難題を解決していく様はまさにアドベンチャーゲーム。ソフトウェア開発ではCP/MとアセンブラをWindowsのエミュレータで動かし、書き込み用にUSB接続のROMライタを製作するなど、高度に優れた技術のヘンな使い方も満載した、アキバ系ホビイスト・オタク必読の書。


目次:
第1章 伝説の誕生
Chapter1 1970年代の事情
伝説の存在となった一片のシリコンチップ
ミニコンの構造から発想された電卓用IC
電卓用ICの枠を超えて活用された4004
端末用ICの開発が頓挫して生まれた8008
世界で最初のマイクロプロセッサ8080
セカンドソースとリバースエンジニアリング
8080の命令体系を受け継いだ8085とZ80
Chapter2 アメリカの騒動
ホビイスト向けに発売された汎用のコンピュータ
マイクロプロセッサの普及に貢献した電子技術系の雑誌
ピープルズコンピュータカンパニーの活動
ホームブルゥコンピュータクラブの活動
ホームブルゥコンピュータクラブから巣立ったメーカー
伝統的なCPUを追い越したマイクロプロセッサの需要
Chapter3 日本の反応
日本の市場を2年遅れで活性化したTK-80
コンピュータの街へと変貌を遂げた秋葉原
初期のマイクロプロセッサに取り組んだオタク
日本電気のμPD8080Aと出会う
日本電気のμPB8224CとμPB8238Cを入手する

第2章 伝説のハードウェア
Chapter1 CPUボードの製作
現在の便利な技術を利用して8080を動かす
主電源の5VをACアダプタからとる
主電源の5Vを昇圧して12Vを作る
主電源の5Vを反転して-5Vを作る
8080と8224と8238を組み合わせる
8224まわりの回路が果たす役割
8238まわりの回路が果たす役割
8080まわりの回路が果たす役割
CPUボードのバスの設計
CPUボードの製作と配線の検査
Chapter2 ROMライタの製作
ICの不良を解析する作業から生まれたEPROM
自作派のホビイストが好んで使った2716
マウス操作で書き込めるUSB接続の書き込み装置
マイコンで主電源の5Vから25Vを作る
ユニバーサル基板に手配線で組み立てる
書き込みと読み出しの機能を作る
USBでパソコンとつながる機能を作る
EPROMをいったん消去してから書き込む
ROMとRAMとアドレスデコーダ
Chapter3 周辺ボードの製作
汎用のコンピュータを構成する825xシリーズの周辺IC
テレタイプライタとコンソールとパソコンの端末ソフト
8251とパソコンの接続
CPUボードと8251の接続
メモリと8251で構成する周辺ボードの製作

第3章 伝説のソフトウェア
Chapter1 8080の開発環境
インテルとゲイリー・キルドールの出会い
フロッピーディスクのコントロールプログラム
80系マイクロプロセッサの標準OSとなったCP/M
CP/Mのもとで動作するアプリケーション
デジタルリサーチの頂点とどん底
Chapter2 フールオンザヒル
CP/Mの開発ツールでテストプログラムを作る
テストプログラムをEPROMに書き込んで動かす
Altairで音楽を演奏した男
ラジオからフールオンザヒルが流れる
Chapter3 タイニーBASIC
タイニーBASICの構想と挫折と再起
パロアルトタイニーBASICの登場
東大版タイニーBASICの登場
タイニーBASICをCP/Mのもとでテストする
タイニーBASICを自作のコンピュータで動かす

第4章 伝説の承継者
Chapter1 8085を動かす
極めて地味な機能仕様で登場した8085
8085を使ったCPUボードの設計
8080から拡張された機能の取り扱い
8085を使ったCPUボードの製作
8085を使ったCPUボードの互換性
Chapter2 MCS-85を作る
MCS-85が構成するコンピュータの概要
8755と8156の機能仕様
MCS-85の接続とアドレスマップ
制御用コンピュータの設計
制御用コンピュータの製作
Chapter3 8755に書き込む
インテルの書き込み装置を調べる
マイコンで間に合わせの書き込み装置を作る
TL497で書き込み用の25Vを作る
書き込み装置のハードウェアを組み立てる
書き込み装置のファームウェアを作る
制御用のコンピュータでLEDを点滅させる

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